2012.11 of gurim

2012・11・30
昌慶宮の紅葉




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大学路の小劇場を出たら風が冷たく時雨ている。雨の止み間に歩いて宿に帰ることに。昌慶宮まで来たときは4時をまわっていたが、入ってよかった。これほどに紅葉があざやかだとは思っていなかった。雨に濡れて夕暮れが近いころの紅葉はことのほか美しい。11月11日のソウルの王宮の建物の裏にある森の中。



2012・11・29
曹渓寺の菊花




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今から3週間ほど前のソウル。菊も紅葉も美しかった。曹渓寺の前を通りかかると、お寺が菊の花につつまれている。しーんとなんか静まり返らない境内。にぎやかな菊人形会場になっている。本堂に置かれている大きな金ぴかの仏像もいい。



2012・11・28
濱口梧稜




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「稲むらの火」というのは最近よく聞いていた。津波が襲ってきたとき、稲藁に火を放って村人を安全な場所に避難させたというあの話。和歌山県有田郡広川町広がその場所である。そこに立ち寄った。
稲藁に火をつけて村人を津波からすくったのが濱口梧稜という人だとは知らなかったし、その人が明治新政府の駅逓頭という今で言う郵政大臣を務め、1885年、明治18年にニューヨークで66歳で客死したことなどもっと知らなかった。
「稲村の火」は1854年、安政元年11月に起こった大地震と津波のときのことであるから、濱口梧稜が35歳のときのできごとである。で、ただ稲藁に火をつけたというのではなく、その後の復興と防災を私財をなげだして行った人物なのである。知らなかった。家業、ヤマサ醤油。1853年、34歳で7代目を継いでいる。

濱口梧稜記念館を見学し、特選ヤマサ有機醤油を買った。



2012・11・28
崔先生の藍




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安東にいくたびにおじゃましている染色家、崔先生の研究所に寄る。自分の家の藍が建たないと言ったら、いろいろと教えてくださり、藍甕も「この色にならないとだめです」と説明してくださる。泥藍はこの状態で保存しますと教えてくださる。自分の藍建ての間違いがよくわかる。

湖畔に建つ研究所の紅葉がすばらしい。水辺の木は美しく色がつくようだ。





2012・11・27
テグでお会いした書家




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2年前テグでひらかれたもぐら庵さんの展覧会に出かけたときにお会いした書家、柳在学氏に今回の旅でお会いすることができた。先に書いた韓国料理の名店「アサダラ」は氏の作品がどの部屋にも飾られている。「アサダラ」全体の美術監修を氏がされている。ま、贅沢な空間である。

お忙しい中、アトリエに案内してくださった。氏の書画集と印譜をいただく。

2012・11・26
民博へ




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土砂降りの雨のなか、民族学博物館へ行く。車で1時間ほどなのでもっと頻繁に通いたいのだがなかなか。

「特別展 世界の織機と織物」をみる。興味深い展示で、足にひっかけてつくる藁草履から腰機、高機、もうあらゆる織機に織りかけの布がかかったまま展示されている。
むしろ機の筬が広島の実家の納屋にあったのを思い出す。秋の取入れが終わった後の納屋の土間で母親が俵を編んでいた姿もくっきりと頭に中にのこっている。俵を編むと言っていたが、縦糸と横糸というふうに考えれば俵を藁で織っていたことになる。あの道具はまだ納屋のどこかにしまわれているのだろうか。

本館のミュージアムショップでラオスの木綿の布を買った。綿を弓打ちして、手紡ぎした糸で織られている。糸の色もいいので気に入ってしまった。




2012・11・26
アサダラ





韓国から帰ってきてずいぶん経つ。テグでいただいた夕食はなかなかのものだったので忘れぬうちに書いておく。
いつもは、5,000ウオン、400円ほどの食事で大満足している身には、「アサダラ」という店の小部屋でいただいた料理は、それはもう舞い上がらざるをえないものだった。
以下、どういう順番で供されたかは定かではないが次々に出されたもの。




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ソウルからの列車のなかで、昼の弁当を買い、意地汚く同行者の残り物までもったいないと食べてしまっていた私は、満腹状態のままこの豪華な食卓に座らなければならなかった。いまでも残念でならない。




2012・11・25
彫刻と絵画





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私の住む村、西谷に彫刻家と画家、川合敏久氏と川合季子氏がアトリエをかまえている。
お二人の展覧会が終わった。
地域にある展示ギャラリーを8月から活用している。今月11月の企画がお二人の彫刻と絵画展。

美空ひばり像や緒方洪庵像など肖像彫刻や人物像を数多くてがけている川合敏久氏の作品を間近でじっくり鑑賞できた。エスキースの段階の作品だが、ひばり像がいい。
川合季子氏の作品は一点、私のギャラリーに収まることになった。うれしい。




2012・11・25
霜の朝





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いつもの年より遅れたが霜が降りた。おそくまで咲いていたダリアも黒く変色した。これであきらめもついて球根を掘りあげようと思う。
バケツに5mmほどの氷も張っている。



2012・11・24
アトリエ求里畝の仕事






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「アトリエ求里畝の仕事」というタイトルもついている今回の岡山の展示では、宝塚のアトリエでつくられている韓国の針と糸の仕事も木版画とともに見ていただいている。

いっしょに作業をされている3人の作品も並んでいる。



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西村孝子氏の山野草の寄せ植えの展示が会場に潤いを与えてくださっている。



2012・11・23
石原田園ギャラリー






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『中谷省三 木版画展 アトリエ求里畝の仕事』が岡山の「石原田園ギャラリー」で11月23日から始まった。
岡山市の南部の田園地帯にあるギャラリー。何度かこのいい雰囲気のギャラリーで展覧会をやらせてもらっている。

木版画としては大きめの作品だがいい感じに収まった展示になった。12月4日まで。





2012・11・20
栗柄の秋






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久しぶりに栗柄へ。三田から篠山を通って栗柄に入ると山の黄葉の色がいちだんと冴えてくる。

丹波木綿の創作館の中はもう暖房がいれられている。
4本束ねて太い糸にして織っているのでどんどん進んでいく。





2012・11・19
友鹿洞






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ソウルからKTXに乗って大邱へ。一日ぽっかり空いた旅程。旅行案内本を見ると、友鹿洞が近い。
壬申倭乱のとき、豊臣軍の武将が朝鮮にとどまり、「金忠善」となって李氏朝鮮に仕えたというその地である友鹿洞。金忠善をおまつりした鹿洞書院の裏の山に墓があった。
300mと書かれた矢印を見て登ることに。新しく整備された階段は思いのほかきつく、途中なんども息を整えなくてはならなかった。
墓におまいりし、振り返ると山がおだやかで美しい。はるばる日本からやってきてこの地の土になった金忠善とはどんな人だったのだろうかと、黄葉の山を眺めながら思う。





2012・11・18
竹皐書院の工房






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夜が明けるのがおそい。暗いうちに目が覚めて久しぶりの読書をしてみたりして、戸をあけるとなんと霧。あたり一帯がミルク色につつまれている。若いころのアン・ソンギが出ていた「霧の村」という韓国映画を思い出す。

竹皐書院のこの建物のオンドルの部屋で眠った。






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工房の一日はあっというまに過ぎていく。
ユン先生がら「セクシルヌビ」を教えてもらう。6月に来たとき、ソウルでキム・ユンソンさんの展覧会に行き感動したあの「セクシルヌビ」である。
時間がかかるけど技法は簡単ですとユン先生はこともなげにおっしゃる。

夜勤明けのパクさんが疲れも見せずやってきてくださった。パクさんの手になるヨイチュムンの作品はなかなかのもの。





2012・11・17
신풍2리입구






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安東の高速バスターミナルの近くから路線バスに乗る。世界文化遺産となっている「河回マウル」への入り口の停留所にきたとき、運転手さんが、どこまで行くんだと聞いてくる。観光客はここで降りて行かなきゃと思ったらしい。これから私が訪ねるユン先生の工房はもう少し先のシンプン里というところにある。

「シンプン2里入り口」というバス停で降りた。シンプン里は秋色一色にかわっていた。
日本では見たことのないコーリャンの畑。
干し柿のすだれ。




2012・11・16
大根やら白菜やら






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畑の大根が見事に育っている。はくさいも巻いている。
まだ今年は霜が降りていない。だからダリアの元気に咲いている。でも雲ひとつない夕空を眺めていると今晩あたり初霜かもしれないと、あわててピーマンをもいで、ついでにピーナッツをほりあげた。



2012・11・16
全州






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そのぶん冷え込んではいるが澄み切った空気の快晴の全州。教会にいく。フランシスコザビエルらによって韓国にキリスト教が伝えられている。
ステンドグラスを通過した秋の陽が柱を美しく染めている。







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市内にある東学党の歴史博物館にいく。1894年、甲午の年に全羅道でおこった農民反乱である甲午農民戦争は、井邑で生まれた東学の指導者「全琫準」を総大将に戦った反封建、反侵略の農民蜂起である。
東学とは西学(キリスト教)に対しての言い方で、朝鮮独自の宗教。現在「天道教」としてうけつがれている。

入り口に「東学党の乱」を描いた映画のポスターがあった。観たいけど、日本には来ないだろうなこの映画。






2012・11・15
内蔵寺 燃える






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燃えるような紅葉の内蔵寺の山門をくぐったら、本堂と思われるあたりがシートで覆われている。まだくすぶっている焼け跡に消防士が立って放水しているではないか。
全州市内にもどってタクシーに乗ったら、運転手がどこに行ってきたかというので、内蔵寺だというと、今朝の2時に火が出たのだという。
本堂が焼けたその日でも何事も無かったように寺の門はひらかれており、紅葉狩りの客が境内を行き来しているとは。





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焼けた本堂のすぐそばにあるお堂のなかに描かれていた仏画。色調がすばらしい。
鐘楼にぶらさがっていた木魚。こいのぼりのような。





2012・11・14
内蔵山






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全羅道の内蔵山。韓国では屈指の紅葉の名所である。その名所とやらに一度は行って見たいと思っていた。
井邑という町からバスに乗る。井邑といえば東学党の指導者、全琫準の生家があるところではなかったかと思い出してはみたが、訪ねて見る余裕もなく、満員の内蔵山行きに乗った。

やっぱり穴場ではなく名所だった。見物客の多いこと。入り口あたりでは、駐車場はいっぱい。ひしめく露店。カラオケの歌が大音響で聞こえてくる。

しばらく清流に沿って歩いていくと鮮やかな紅葉、紅葉、また紅葉。内蔵寺に着く。