2011.01 of gurim

2011・1・30
オルヴィエート


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雪の残るルッカを朝出てオルヴィエートに向かった。フィレンツェあたりの積雪量が多い。しばし車窓の雪景色をながめる。オリーブ畑の雪景色はオリーブの葉色がきたなくみえて良くない。
持参した昼食をとる。今日も梅干し入りのおむすび。イタリアのスーパーにはお米が売られている。
ローマに向かって南下し、ウンブリア州にはいり、オルヴィエートについたら雪はなくなっていた。

オルヴィエートには、ルカ・シニョレッリのフレスコ画を見るためにやってきた。シニョレッリをはじめてみたのはコルトーナの教区博物館。はじめてのイタリア、10年前のこと。さほど大きくない教区博物館の地味な建物の中に入るとシニョレッリの『十字架降下』が迫ってきた。
ルネサンスの画家といえば情けないことに、レオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ボッティチェリと中学校の教科書程度の知識しかなかった。

シニョレッリの代表作といわれるフレスコ画がオルヴィエートにある。こんどいつ来れるかわからない。帰国する前に見ておかなくては。




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大聖堂のなかの礼拝堂に「黙示録」からテーマをとったシニョレッリのフレスコ画があった。
16世紀に描かれたとはおもえない構成。天使や悪魔が光線を放ちながら飛行機のように飛び回っている。SFの世界のような。
どうも人体のとらえかたが他のルネサンスの画家とちがっている。解剖学的で生々しく感じられる。
すこし暗い堂内で上を向いてながめていたら首が痛くなった。

上の絵はコルトーナの観光案内所でいただいたポスター。このシニョレッリの絵はどこにあるのだろう。教区博物館で衝撃的にであったあの絵ではない。





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駅からケーブルカーでオルヴィエートの旧市街に登っていく。崖の上につくられたような街。ながめがいい。冬なのに草のみどりがあざやか。

街の中を歩く。時を経た瓦や壁、石畳の路がいい。こんな街にしばらく滞在してみたいような気もする。

そんなことを言ってる場合ではない。明日は帰国しなければならない。
やっぱり時間通りには走らないイタリア鉄道。夜遅くになってやっとルッカに着いた。
深夜に荷物をまとめた。閉鎖されてたというフィレンツェ空港の雪はとりのぞかれたのだろうか。飛行機は予定通り飛ぶのだろうかと気をもみながら。








2011・1・29
フィリッピーノ・リッピ

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マザッチョのフレスコ画を見ようとサンタ・マリア・デル・カルミネ教会のブランカッチ礼拝堂に入った。
10年ほど前に来たことがある。そのときはルネサンスの幕開けを告げた若き天才画家マザッチョだけしか目に入っていなかった。
聖ペトロの生涯をテーマにしたフレスコ画は3人の画家によって描かれていて、完成させたのはフィリッピーノ・リッピである。
ルッカにもサン・ミケーレ教会にフィリッピーノ・リッピの板絵があり、いいなと思っていた。

ボッティチェリに師事し、父はそのボッティチェリの師匠フィリッポ・リッピ。
画僧フィリッポ・リッピと尼僧とのあいだに生まれたのがフィリッピーノ・リッピ。ウフィッツイにあるフリィッポ・リッピの『聖母子と二天使』のモデルが尼僧ルクレツィア・ブーティと幼いフリィッピーノ・リッピといわれている。

「天使によって牢から解放される聖ペテロ」の部分に描かれているフィリッピーノ・リッピの自画像に見つめられて動けなくなった。


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サンタ・マリア・デル・カルミネ教会。
建物右の入口から入る。中庭を過ぎてブランカッチ礼拝堂に。







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細い路を通ってサンタ・マリア・デル・カルミネ教会に向かう。外観は中世そのままなんだろう。メジチ家の紋章が壁に見える。





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道すがら、版画が飾られた店に入る。エッチングに手彩色した作品が並んでいる。
イタリア語が話せたらお話したかったような人柄の、作家であると思われる店主が猫の作品を丁寧に包んでくれた。

この時は曇ってはいたが雪はまだ降っていなかった。
この日、雪のためフィレンツェから帰れなくなるとは夢にも思わず、ちょっと庶民的な中世の街並みに酔いしれながら歩いていた。












2011・1・28
ミケランジェロ

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大雪にみまわれる3日前、12月14日のフレンツェは冬晴れ。
行列を覚悟して行ったウフィッツイ美術館には誰も並んでいなかった。
ピエロ・デラ・フランチェスカの『ウルビーノ公爵夫妻の肖像・勝利の馬車』をじっくりながめて、フィリッポ・リッピ、ボッティチェッリからレオナルド・ダ・ビンチを見終わったあたりで集中力はとぎれてくる。
外に出ると冷え込んでいる。アルノ川の対岸にミケランジェロ広場。この小高い丘にまだ登ったことがなかった。
フィレンツェを見渡す絶景ポイントを今まで「暑い」とか「しんどそう」とかの理由でさけていた。
息を切らして登り、寒さに震えながらフィレンツェの街をながめた。




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ミケランジェロ広場から下って、ピッティ宮の向かいにある店でマーブル紙がほしかったので買う。花柄のきれいな紙も買う。





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アカデミア美術館でも誰も並んでいない。
うっかり見落としそうな入口
今までは長蛇の列を見てうんざりして入るのを諦めていたのに。





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ダビデ像のまわりをゆっくりと一周する。
ダビデの尻をじっくりとながめる。
ミケランジェロはやっぱりすごい。







2011・1・27
木版画「標」展

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大阪 老松町の「大阪現代画廊」でおこなっていた木版画グループ「標」の展覧会が22日に終了した。
今回の出品作、『韓屋と雪』

今年も中学の同級生が来てくれた。
広島の山間の村で育った。
今年は寒いという話から、農閑期の冬の日、母親は納屋で俵を編んでいて、その俵を編む機具やら、手さばきに話はおよび、田植えから稲刈りまでの共有する農作業の体験をひとしきり語り合った。

今朝も雪がちらついた。
今年はいつになく冬が厳しい。







2011・1・26
ミシンヌビのマット

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アトリエ・求里畝の作品。茶綿で織られた布を使う。
まだヌビを知らないころ、ソウルだったか釜山だったか忘れたが市場でミシンヌビの布団を買って帰ったことがある。赤と青と黄と白の色使いの派手なもの。薄くて肌にまとわりつかなくて、夏、昼寝をする時に重宝していた。


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小さいサイズのミシンヌビ。玉葱、樫、桑などで染める。
タイの手紡ぎの糸で織られた布は柔らかい手触り。

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