2012・1・11
古い家並み
樂園商街の東側。地下鉄5号線「鐘路3街」駅から出たところ。古い家並みの時が止まったような一画がある。仁寺洞の雑踏からはずれて餅を売る店の前を通ってふらふらときてしまう。
10年前1年間の休暇をとってソウルに来た時、住むところが決まってなくてこのあたりにある荘旅館にしばらく泊まっていた。おばちゃんが一人で調理し、ひまそうな痩せたおじちゃんが運んでくる食堂のテンジャンチゲの味は良かった。
あのころと少しも変わっていない。そのことが良いのか悪いのか分からないがすぐ近くにビルがそびえ建っているのに不思議な場所だ。いつまでも残っていてほしいと思う。
表通りはこぎれいになって、大通りは整備されていく。
2012・1・9
キルサンサ
漢江の南、地下鉄7号線「落星垈」から山に向かって少し登って行った所にある吉祥寺(キルサンサ)。オンドルのふわっとした暖かさのある部屋でスニムは蓮根のお茶でむかえてくださった。粉引きのコップがいい。
一昨年訪ねたときにはいなかった猫。野良ちゃんが住み着いたのだとおっしゃるがやたら可愛い。すりよりもせず、逃げもせずいい距離にいる。
ギャラリーにもなるこの部屋では焼き物が展示してあった。
夕食までいただいた。
スニムが作って下さったのはチャプサルスチェビ。もち米のこなを団子にしたものが入ったワカメのスープ。エゴマの粉が入っている。大ぶりの真鍮の器に入れてくださる。ワカメとエゴマだけなのに深い味わいはどうやってだすんだろう。
一緒に出された白菜の水キムチが絶品。発酵した味がたまらなくおいしい。
初めてなのに懐かしい。いや、このスチェビ、子どものころに食べたことのあるような。もち米ではなく粳米の粉をだんごにしておつゆにいれたのを団子汁とよんでたべていたのを思い出した。
料理の著書もあるスニムの手作りの夕食をいただけてうれしくなる。
質素であたたかい食事。これがいいのだ。
2012・1・7
アートボックス
豊中、曽根にあるアートボックスというギャラリーから閉廊のお知らせが届いた。勤務地だった豊中のギャラリー。24年に渡りご愛顧いただき・・・・とある。えー、そんな。 なんだかさみしくなる。
常設品特別価格販売に目がとまり出かけた。仕事を辞めてから豊中まで来ることは少なくなって久しぶりの曽根あたり。街の匂いというのがある。鼻から懐かしさを感じる。
オーナーに挨拶をしてガラスを買った。下に敷いている布はこのギャラリーではじめて買ったもの。茶綿の手紡ぎ手織、板絞めで染めてある。
2012・1・5
木人
曹渓寺の向かいにテンプルフードの店があるから行きましょうとユン先生に教えてもらってお昼を食べる。おいしい。これからソウルに来たら寄ろう。そこから仁寺洞のほうへ少し歩いたところにある「木人博物館」。
昼食時間の貼り紙がしてあったが、声をかけるとどうぞと招き入れてくださった。古い建物の2階。広くはないが落ち着いた空間に木人がある。大学路のトンスンアートセンターでは「コックト」と呼んでいるがここでは「木人」と呼んでいる。
ここに来たのは3回目。いい。前来た時とはまた違った印象。たまらなくいい。
写真もご自由にどうぞという。サービスのお茶をいただいてあたたかい気持ちに。ユン先生が、父は喪輿の行列で鐘をならし謡う役割をしていたんですよととおっしゃる。そう遠くない昔、この国では人は死ぬとこれらの木人たちに守られて旅立ったのだ。
2012・1・3
広蔵市場にいく
広蔵市場で布を買うのなら一緒にいきましょうと朝はやくに安東からやってきて下さったユン先生と出かける。
いつもの活気に満ちた市場。圧倒される商品の山。通路にこんなに物を置いたら歩けないではないかとぶつぶつ言いながらすり抜けるように歩く。
布の名称がはっきりとしてきた。今までヌビにつかう絹といっていたのは 「ミョンジュ」というシルクの平織り。透けて見える薄い絹は「オクサ」。勝手にコリアンシルクと呼んでいた地模様の浮き出るものは「ヤンダン」。
当分ヌビができそうな量の布を買った。次の日買い忘れていた墨染の綿布も買った。店のおっちゃんはなぜかおまけと言って細かい唐辛子模様がプリントされたハンカチをくれた。
2012・1・2
ソウルの古美術商街
鳳凰のコックト。あまりにかわいいが、たぶん鳳凰だとおもう。
白磁と青磁の小皿。ほんものかイミテーションか、さて。
麻布を織る機の筬。
3枚のポジャギは、北朝鮮から入ってきたものをわたしが繕ったりしたものですと店の女主人はいう。
大学路のトンスンアートセンターにコットゥと呼ばれる木製の人形を観ようと出かけたが、地下鉄「恵化」駅の階段をのぼりながらよぎったもしかしたら今日は月曜日、休館かもしれないという不安は的中してしまった。
頬が凍るようなチリチリとした寒さ。徒歩でうろうろするのが苦痛になってタクシーで古美術の店へいく。東大門のそばを通るが修理中。南大門の完成は来年末だと運転手さんは言う。
ビルのなかを仕切って通路の両脇に古美術の店が並ぶ。どの店から入ろうか。ま、端っこから順番に見ていこう。時間はたっぷりあるし。
で、懐と相談しながら買い求めたもの。
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