ミシン

ミシンが動かなくなった。新しいミシンが豊中のミシン店からやってきた。御年八十とおっしゃるミシン店のご主人はトラックからミシンを降ろし、決して軽くはないミシンを抱えて部屋まで運んでくださる。前のミシンは内蔵されているコンピューターが壊れて使えなくなったとおっしゃる。新しいミシンは前のものと同じ型なので使い方に大きな変化はない。一通り説明を受けた後、私は10年ほど前に古道具屋で買って、まるでインテリアのように置かれていた足ふみミシンを動かしてもらえないかとお願いした。 こういうのはお手の物と、さっそくあちこちに油をさし、ベルトを確かめ、ミシン針がちょっと錆びてますねと言いながら糸を通す。ペダルを踏むと、試し布の上にきれいなミシン目。この間、わずか10分ほど。リッカーミシンの会社はもうなくなってしまったんだとおっしゃる。このミシンは何年前に作られたものかはわからない。ミシン店のご主人は今日入れたミシンよりこのミシンの方が長持ちするでしょうとにっこり笑っておっしゃる。













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